ブランディングのためのホームページを作る前に

ブランディングと言うとなんとなく「高級そうな雰囲気」とか「重厚感」とか「おしゃれなデザイン」なんかのことだと思ってませんか?
それらももちろんブランディングの一部ではありますが、全てではありません。

本来「ブランディング(Branding)」とは「焼印」のことです。
金属で作った印章を熱く熱し対象に押し付けて印章の形に焼き跡を付けることです。その印は中々消えませんので、自分の持ち物や生産物を他人のものと区別するために使われていました。
やがて、信頼が置ける会社の焼印が押された商品はそれだけで価値が認められる様になります。区別に使われていたものが、価値を保証する物として使われるようになったわけです。
価値が保証されたものはそうでないものより、当然、選ばれやすくなります。
すると今度は、「会社名やロゴや商品と、その信頼性や価値などのイメージをお客様の中に醸成すること」を狙った広告手法が誕生します。
これが現代におけるブランディングです。

ブランディングは、時代の変化と共にその手段も変化してきました。
古くは、看板やチラシ、ポスターなどがブランディングの手段としてメジャーでした。新聞やラジオ、テレビなどのマスコミがその後影響力を強め、インターネットの発展後はネット上での情報発信がブランディングの重要な要素となってます。
今、あなたが作ろうとしているブランディングのためのホームページも、そうした様々な手段の中の一つなのです。

ブランディングを進める時に大事なことが一つあります。様々な手段を統一された方向性で進めることです。手段毎、機会毎で方向性がバラバラだと、お客様の中にブランドイメージが構築されることはありません。
素敵なホームページを作って終わり…ではブランディングにはならないのです。

では、効果的にブランディングをすすめるためには、どうしたらよいのでしょう?

 

1.ブランドイメージの決定

ブランディングはお客様の中にブランドのイメージを構築することです。
だとしたら、何よりまず、どんなイメージを構築するかが決まらなければ話になりません。
ブランドイメージには上で出した「高級感」「重厚感」「おしゃれ」とかの他に、「安心安全」とか「健康的」とか「かわいい」とか「おちついた和モダン」とか「便利で簡単」とか色々考えられます。ホームページだけの話ではなく、その会社や商品そのものを、お客様にどういうイメージで捉えてほしいかを絞り込んでいく必要があります。

ここで気をつけたいのは、「お客さんがすでに持っているイメージ」、「あなたがこう有りたいと思うイメージ」、「誰も感じたことのないイメージ」の順で難易度やコストやリスクが高くなるという点です。

お客様の中にすでにあるイメージに近いほど定着しやすく、そこから離れるほど定着させるために時間や手間暇がかかります。また、今と全くかけ離れたイメージを構築しようとすると、新しいイメージに合わせて今の状態(仕事の内容、基準、体制その他)を大きく変えなければイメージとの齟齬を生み、かえってお客様にネガティブなイメージを与えてしまう可能性があります。

お客様があなたの会社や商品にどんなイメージを持っているかを調べるためには、口コミやアンケート結果を活用しましょう。

 

2.ブランドのイメージカラーやビジュアルの選定

ブランドイメージが固まったら、それを軸にイメージカラーやロゴやビジュアルを決めていきましょう。

ここで大事なのは、「どう見えるかは関連性による」という点です。

例えば、イメージカラーを赤にした時、白地に赤と黒字に赤でイメージがだいぶ違いますよね?メインとそれを補完する色2〜3色程度の組み合わせで考えた方がイメージは伝わりやすくなります。
色同士が対立するような組み合わせだとページ全体に緊張感が出ますし、逆に同系色で構成すると柔らかい優しい感じになります。それもイメージの一部になります。

また、ロゴやビジュアルに関しても、単体の綺麗さとか格好良さではなく、どういう場面で使うかを考えてデザインや選定をしましょう。単体ではカッコいいロゴやビジュアルが、組み合わせるとイメージが崩れて使えないなんてこともよくあります。

 

3.ブランドを伝えるテキストやキャッチコピーの選定

検索エンジンもだいぶ進化してますが、今でもテキストデータが検索の材料として重視されてるのは変わりません。
あなたの会社や商品を、目指すブランドイメージに即した言葉を使って表現しましょう。

ここで大事なのは、「その言葉は今どう使われているか」です。

あなたのブランドを表現する言葉を使って検索をかけた時、どんなサイトが出てきますか?それらは、あなたが目指すブランドイメージに即してますか?
もしその言葉の検索結果が望むブランドイメージからかけ離れていた場合、その言葉は不適切なのかもしれません。

ただ、現時点で不適切でも、言葉のイメージは流動的ですから、使っている内に変わる可能性はあります。
他の言葉で補完しながら使って行きましょう。

4.定期的な見直し
ブランドイメージが固まり、それに即したカラー、ビジュアル、テキストを組み合わせればブランディングのためのホームページは完成です。
ですが、その後にとても大事なことが残ってます。

ブランディングは一日にして成らず。
お客様の目に触れ続けてはじめて効果を発揮します。

しかし同時に、世の中は移り変わります。あなたの作ったホームページも、完成した瞬間から古びていきます。
あなたの使ったカラーやビジュアル、テキストやコピーは、「今」のお客様に合っているでしょうか?定期的に見直しして、その時その時でブランドイメージを伝えるのにベストなホームページに修正していきましょう。

 

5.最後に

Googleはマーケティングに関し「ZMOT ( Zero Moment Of Truth )」という概念を紹介しています。「店に言った時点で購入する意志はすでに決まっている」という状態のことです。
インターネットが発達し、お客様がそれを活用して事前に様々な情報を集めることが当たり前になったことで、購入判断のタイミングが前倒しになっている…ということです。
ブランディングのためのホームページを持つ重要さも、益々高まっていると言えるでしょう。