デザイナーの働き方とクリエイターとしての寿命について

こんにちは。プラナートのデザイナー田村です。

私はもともとフリーランスで6年間グラフィックデザイナーをしていたので、株式会社になってから少しずつ働き方が変化していると感じます。前回、リモートワークについての記事を書きましたが、今もデザイナーとしての働き方を考える日々が続いています。今回は、どのような脳の使い方で仕事をしているか、そしてクリエイターとしての寿命について書いていこうと思います。

はじめに、デザインや文章を書く仕事、クリエイターとしての仕事は、どうしても「心」を必要とする仕事です(これを、「ラブ」だったり「意思」だったり、「勇気」とたとえてもいいかもしれませんが、とにかくそういったエネルギーが必要です)。

もちろん、営業や接客にも心が付随します。その場合は、目の前のお客様に対するコミュニケーションがあるので、その時間に「心」を使います。ただし、クリエイターはそのコミュニケーション・レスポンス時間に追加で、「それを持ち帰ってから制作する時間」「確認する時間」「また持ち帰って修正する時間」などに、より多くの「心」を消耗するのです。あの反応だったということはこうすればいいか、とか、全く違う案を持って行った方がいいか、などの想像もしますし、相手の思考を先回りして言われる前に案を用意するデザイナーもいます。その間、コミュニケーションは発生していませんが、常に考えている状態が続くイメージです。

技術職ではあれど、クリーニング店や修理業とちがうところが「新しいものを作る」点で、感覚が鈍らないようにするために多くのインプットを必要としますし、即日で出すには限界があることや、脳を休ませる時間が必要なんだなと特に最近は考えるようになりました。

もちろん、技術が上がっていけばあまり考えようとせずとも最低限の「この色使いの組み合わせはありえないでしょ」といった、感覚的なNGは出さないようになってきます。しかし、良いものをつくるためには、頭を柔らかい状態でつくるための時間の余裕、熟考する時間、作った後で、本当にこれでいいか、を判断する時間が必要になります。

若い頃はとにかく作れ!と、PDCAを回せば回すほど技術的には上を目指せると信じていました。確かに、技術的には少しずつ伸びていると感じます。しかし、それが一定まで行くと技術的な部分の向上は穏やかになり安定しますが、インプットの時間が足りなくなり、新しい発想や、心のこもったものづくりにシフトできなくなっていると感じ、最近は少し危機感を感じています。やり方を変えなければいけないなと。30代を迎えたデザイナーがインプットの時間が足りなくなり職業寿命を終えてしまったという記事を読んだことがあるのですが、まさにこのままではその通りになってしまうな、と。

デザイナーとアーティストは違います(このことについてもいずれ書きたいと思います)が、新しいものを生み出すという意味でインプットや「心」を豊かにしておくことの必要性は同じだけあります。「才能」というものが評価基準にない職業デザイナーとして、また次世代のデザイナーを「使い捨て」しないためにも、しっかりと働き続けられる環境を作っていかなくてはと思います。

福岡のホームページ制作・各種デザイン・店舗工事|株式会社プラナート
https://planart.co.jp/